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母親の気づきと受容が子供の姿勢を変えたケース [ A子ちゃんの例 ]

2017年7月15~17日 日本ゲシュタルト療法学会 第8回大会

ノブはこの集まりで心身のつながりについて研究発表させてもらった。
ワークで起きていることを整体の知識や知恵で紐解くと心身の繋がりが、より具体的な見え方をしてくる。

レジメにまとめた体験例は会での実例、二件だった。
その他に指導室でのワーク臨床例や、整体だけど
心身のつながりの濃さをもろに表している例を紹介した。

以下はその1つで既に小冊子に載せたのを転載しておく。


▼母親の気づきと受容が子供の姿勢を変えたケース [ A子ちゃんの例 ]

「ひどく姿勢が悪いから」と、ある小学生の女の子(A子ちゃん)は連れて来られました。

背骨をみたら上胸椎に一箇所極端に捻(ネジ)れて曲がっているところがありました。
少し試したのですがその箇所はテコでも動きそうにありません。

整体終了後、ちょっとした雑談が元で、瓢(ヒョウ)箪(タン)から駒(コマ)みたいな展開があり、
A子ちゃんが親族に虐(イジ)めをうけていたことが判明しました。

私がお母さんの話の内容から虐めのことを指摘し、母親がそれに気づいたら、
その子が突然ワッとかがみこんで泣き出してしまった。

我慢して内向していた感情が表面化したのでしょう。
ところがあからさまに泣いているのは分かるのに、涙や声が思うように出てきません。
無意識に声や感情をコントロールする癖が長らく身についてしまってるのです。

気がつけば、「悪い姿勢」と評価されていた彼女の姿勢は、
私達が何か大きな食べ物を詰まらせて慌てて飲み込む時に、
喉の下の方に力を入れてうつむいた時の形そのままでした。

A子ちゃんは子供にとってはかなり努力しないと
飲み込めない“気持ち”を飲み込もうとしていたに違いありません。
不完全な泣き方ではありましたが、急速に胸が開いて喉元を隠さない姿勢に変わってしまいました。

そこで彼女にもう一度お願いして、背骨を確認しましたら
曲がっていた箇所は真っ直ぐになっていました。

私は我が眼を疑って何度も触り治したのを今でも覚えています。
どうやら自然治癒力の働きを邪魔していた緊張は少しは抜けたようでした。

問題の背骨周辺の緊張はほどけていました。
それまでずっと黙っていた彼女は急に喋りはじめ指導室の中を見回し、
自分の興味のあるものを見つけ、それについて私と会話するようになりました。

指導室に入ってきてから一言も声を聴いてなかった。

この例はあくまでも、このように心身、生活は密接につながっているという一つの例です。
「姿勢が悪い原因はいじめである」という意味の紹介ではありません。

彼女に心身セラピーを行ったのではありませんが偶然の展開で、
心身の自然の変化を止めていた緊張が抜けた例でした。
適応しようとしてそれが未完了だったのが再び経過したのです。

彼女は当たり前に泣いて息を吐き出すべきところ吐けないでいた。
あるいは母に助けを求めたくても何かの事情が彼女にそれを許さなかった。

私たちは時々変な思い込みに支配されていることがあります。
例えばクソが出そうになったり、下痢をしたいのを我慢したら
人格的に成長したり、腸が強くなるはずだと。

しかしそれは間違っています騙せば鈍くなるだけです。

A子ちゃんの喉のその閊(ツカ)えが取れたことで全体の感覚が戻ってきました。
母親は子供に対する周りの親族の態度がイジメに相当するとは気付いていなかった。
でも、そういうことってよくあります。

不自然なのに日常習慣化してしまうとか、
人間関係に強い権威的な葛藤、力関係があると
感覚を麻痺させてでも適応するとかあり得ることです。

お母様に気づきが生じて場が動いたこと。
これは予想外の展開で、母親の感覚の回復は嬉しかった。

心身セラピーでは、姿勢の変化、体の内外の感覚、
浮上する感情の変化、感覚、言葉の使われ方、ときには周囲の音など、
その場に生じるさまざまな現象を分析はしませんが、
生命がよこす大切なサインとして丁寧に扱います。

このノウハウはゲシュタルト療法をはじめとする体験的な心理作業では全く当たり前の原則です。

原則的に整体もこの作業も本人主体ですから、
通常はできるだけ周りの人の話を聞くのは避けているのです。

この時は、お母さんが勝手に喋るので(周囲の音?)何気なく聞いていたのがこのような展開になったのでした。



タンポポ
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